この涙が枯れるまで
私は抜け殻のまま施設に向かった。



涙はまだ止まってくれない。

キラキラとした世界が

暗い世界へとなった。


昔の世界へとなった。



施設に着いて、まず向かった所…

それは食堂。


食堂で私は包丁を取り出した。



私は生きている資格なんてない。


和哉と鈴は私のせいで傷を負った。


私が全て悪いんだ。



お父さん…


お母さん…


私はもうすぐ二人の元へと向かいます。




私は喉に向かって包丁を付きだした。


そして目を閉じ、思いっきり射そうとした。



──…でも目を開けると私は倒れていた。


包丁は転がっていた。


私の上に乗っている人。


それは先生だった。



『…先生…?』


先生は私の頬を叩いた。


『ナナちゃん!!何をやっているの!!??』


『死にたくなったの』


『何で?!何でそういう事するのよ…』


『先生…』


『やめてちょうだい…』


と言い、先生は私を抱き締めた。


そして頭を撫でてくれた。


お母さんと同じ温もりだった。


私は大声を出して泣いた。


それを受け止めてくれるかのように、先生は抱き締めながら私の頭を撫でてくれた。




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