この涙が枯れるまで
ナナが星の砂が欲しい理由。
それはすごく温かな理由だった。
ナナは、ホントにお父さんとお母さんが好きなんだな。
『きっと見付かるよ』
『だといいけどね』
『ねぇ…ナナ…沖縄から帰ってきたら…』
『うん?』
『ナナが育った家とか施設とか見てみたい』
『え?』
『少しでもナナに近付きたいから… 案内してよ』
『うん…案内してあげるね…』
『あと!!!携帯かして』
僕はナナの携帯を手に取った。
『何してるの?』
『ん?内緒!』
僕はナナのアドレス帳に僕のメモリを入れた。
そして僕は携帯をナナに返した。
『何したの?』
『アドレス帳見てみ?』
ナナはアドレス帳を開いた。
『俺も仲間入り』
それを見たナナは下を向いて何も言わなかった。少し不安になった。
『嫌だった?』
『違うの!!嬉しくって!!』
『ホント?』
『優!!ホントありがとう!!優に出会えなかったら私…』
僕はナナの頭を撫でた。ナナがとても弱々しくて、心配だった。
でも僕も弱かった。
ホントは誰かに助けて欲しかったんだ。
ナナ…僕は君と似ている。