この涙が枯れるまで



『はぁ~!!もう沖縄の旅終わりじゃん~』


歩が寂しそうに言う。


『明日もあるじゃん!!』


『だって明日とか変なとこ見物すんだろ~?つまんねぇよ』


『確かに!!』

バスの中で楽しそうに話しをする歩と沙紀。
バスの中僕は何かを考えてた。
遠いところを見つめながら。
それはナナの事ではなく百合の事。



『優!!ありがとね』


『ん?』


『星の砂が見付かってホントに良かったぁ~ありがとう』



『おう!!全然いいって!!俺も買ったし!!』



『綺麗だよね』


『うん』




『ねぇ…優…?』



『ん?』



『今小林さんの事考えてる?』




何故ナナは分かるのだろう。
やっぱりナナは僕の心が読める、エスパーなのかな。
僕はナナを不安にさせないように、嘘をつく。
でもその嘘もナナには分かってしまうんだ。



『優…私は大丈夫。優を信じてるから。』



『俺が好きなのはナナだけだよ』




『ふふっ ありがとう』



僕はナナの手を握った。隣にはナナがいると確信するように。

僕の隣にはナナがいる。でも僕の心には百合がいた。
僕はホントに最悪な最低な人間でした。




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