この涙が枯れるまで
沖縄の修学旅行は今日で最後。
楽しかった思い出が僕のお土産。
それとナナとの思い出も僕のお土産。
僕はナナが一番好きという答えが昨日の夜、一人で考えて出た答え。
僕はナナがいればそれでいい。
僕達のバスは空港へと向かった。
『あ~!!つまんねぇ!!終わってまったし…沖縄…』
歩が名残おしそうに言う。
俺もそう思う。
この修学旅行はホントにいい思い出になった。
多分みんなもそうだろう。
『また来ようよ!!4人でさ』
こう沙紀が笑顔で言う。
『うん!!来よ~!!』
『そだなぁ~』
『おし!!!絶対な!!』
でもこの絶対は来なかった。
僕が壊してしまったんだ。
『4人で写真撮ろうぜ!!記念日に!』
突然歩が提案する。
みんなの意見は一致。
『おいー田上!!写真撮ってー』
クラスのヤツに写真を撮ってもらった。
―カシャ…
『さんきゅ田上!』
『おー』
僕は笑顔になっていたかな。
僕は笑えていたかな。
多分笑えていたと思う。ナナが横にいたから、嬉しくてならないんだ。
もし…これが百合だったら…もし…横にいる人がナナじゃなかったら僕は笑っていたかな…
もうやめよう。
僕はもう百合の事を考えない。
忘れるんだ。