この涙が枯れるまで
『おかえり、優』
空港の前の駐車場で母さんが待っていた。
久しぶりの母さんの顔、懐かしかった。
『どう?楽しかった?』
『ん~…』
『何よ、その反応』
『楽しかったよ』
車の中から見る景色は、沖縄とやっぱり何かが違う。
当たり前か。
僕は久しぶりの家に着いた。
『ただいま~』
『おかえり♪優☆』
出迎えてくれたのは、姉の幸。
でも待ってたのは僕じゃない。
お土産の方だった。
『土産だろ?分かってるって』
『ふふ!分かるぅ~?』
『はいはい…』
僕は幸にお土産を渡すと、すぐ部屋に入った。
やっぱり部屋が一番落ち着く…
僕はベットに横になり、携帯に付いているストラップを見た。
これを見るとナナを思い出す。
ナナの笑顔。
ナナの言葉。
ナナの涙。
このストラップはナナが詰まっている。
そんな気がしたんだ。
~♪
僕は着信音で目が覚めた。
いつの間にか寝ていたらしい。
僕は急いで電話に出る。
『はい!!』
『どうしたの?そんな勢いで』
この声は…
僕が飛び起きるくらい、嬉しいその声は、ナナ。