この涙が枯れるまで
まず僕達は施設へと向かった。
《ひまわり学園》
何故か、ここに着いた時すごく温かい気持ちになった。
施設に入ると、僕達に反応する人達がいた。
『あ~!!ナナお姉ちゃん!!』
『ホントだぁ~!!ナナちゃんだ!!』
『先生~!!ナナちゃんだよ~!!』
子供達の声が飛び交う。ナナは、この施設ですごく愛されてたんだな。
だから、こんなにも子供達がナナを見たら、嬉しそうなんだ。
すると、奥の方から先生らしき人が出てきた。
すごく優しそうな笑顔をして。
『ナナちゃん!!? 久しぶりじゃない!!』
『先生~!!!会いたかった!!』
ナナは先生に抱きついた。
そのナナが子供に戻ったように見えた。
『久しぶりね、元気だった?? 大人っぽくなったわね。 あら?そちらの方は?』
『うん、元気だったぁ!!あっこれは私の彼氏の優♪』
ナナが僕を紹介した。
ちゃんと彼氏と言って。
『どうも…ナナの彼氏の鈴木優です』
僕は頭をペコッと下げた。
『ナナちゃんの彼氏?すごくかっこいいじゃない!!えっと、鈴木君? ナナちゃんを宜しくね』
『はい』
僕は不思議な気持ちになった。
先生の笑顔を見ていると、すごく気持ちが穏やかになる。
なんだか不思議な気持ちだった。