この涙が枯れるまで
~第十二章・道~
僕はナナと歩いて行く。そう決めたんだ。
修学旅行の休日が明けた。
昨日はナナと結ばれて、嬉しいを飛び越えて、感動した。
ナナが言った《私をもらって下さい》という言葉が印象的だった。
久しぶりの学校。
僕は沖縄で買った星の砂に視線を移した。
何かに吸い込まれていくような、そんな気がしたんだ。
僕はナナにメールをした。
《今どこ?》
今日から、学校はナナと一緒に登校をする。
二人で決めた約束なんだ。
~♪
《今駅☆バス停で待ってて↑》
ナナが僕が乗るバス停まで来てくれる。
ホントは僕が迎えに行きたかったけど、逆方向なのだ。
僕はバス停で待った。
向こうの方からバスが来るのが見えた。
この中にナナがいる。
少しずつ近付いて来るバス。
そして少しずつ近付いて来るナナ。
バスが僕の前で止まった。
―プシュ・・・
ゆっくりバスのドアが開く。
膝の所に冷たい風がくる。
僕はバスに乗ると、ナナを探した。
ナナはすぐ見付かった。
あんなに大げさに手を振るから。
僕はナナの方へ迎って、当然のようにナナの隣に座る。
これが僕の一日の始まり。