この涙が枯れるまで


決まったのはいいが、食べ物を考えなくてはならない。


『何かいいもんあるか?』


『ん~…私は、ジュース系がいいな! スタバみたいな感じにしたい!!』とナナがまたアイディアを言った。



見事、そのアイディアも選ばれた。
僕達の文化祭が少しずつ形になっていった。


───…そして時が流れ、文化祭当日。



『優!休憩の時、一緒に行こ?』



『お~!!ナナ、接客頑張れよ!』




『優も頑張って作ってね!』



『任せろ!!』



僕と歩は去年と同様作るの専門。
ナナと沙紀は接客担当。ナナと沙紀は可愛いエプロンを着けていた。
すごく可愛くて可愛くて、頬を赤く染まったのを君は気付いたかな。


そして文化祭開始。
去年と同じぐらい他高生がいっぱい来ている。
僕達のクラスは、始まったばっかりなのに、お客がいっぱい。
クラスの外では客の列。すごく忙しかった。
ナナも忙しそうだった。


『ココア下さ~い!!』


色が抜けた髪の毛に、沢山のアクセサリー。
若い女の子達が来た。
僕はこういうタイプは嫌いだった。
きっと顔に出ていただろう。
でも仕方がない。


『はい。お待ち下さい』


僕はココアをカップに入れ、最後に生クリームをのせ、ココアパウダーを一振りかける。




『お待たせしました』



こう言っても全然受け取ろうとしない。
次の瞬間……。




< 186 / 419 >

この作品をシェア

pagetop