この涙が枯れるまで
『つかかっこよすぎじゃね~? 友達になろうよ!!』
いきなり女の子たちは俺に言ってきた。
『は?』
それを聞いた周りの人たちの視線がこちらに集まる。
『だ~か~ら~、友達なろうよ~』
それを全然気にしていない、ギャル。
『困りますから…』
『何で~いいじゃん!!』
正直、しつこい。
後ろにまだお客さんがいるのに、堂々と喋り続けている、ギャル。
シカトしとこうと思った。
でもギャルは一向も引こうとしない。
『シカト?シカト?』
僕は何も話さないまま仕事をした。
でもだんだんイライラしてきて、僕は言おうとした。
でも先に言ってくれた人がいた。
『あの!!早くしてもらえます?せっかく買ったココアが温くなってまずくなりますよ?』
『あ?誰お前』
横を見ると、浴衣姿の素敵な女性。
僕は目を疑ったんだ。
それは…それは、
百合だった。
『うざ~!!』
愚痴を吐きながら、ギャル達は教室を出て行った。
ギャル達がいなくなるのを見て百合は『ラテ下さい!』と笑顔で注文をしてきた。
僕の頭の中は思考停止。
ドクン…
『あっうん…』
僕は注文を受けたラテを作った。
『はい、出来たよ。…百合…ごめん、大丈夫だった?』
『大丈夫!!余裕だから!ありがとね』
百合は、また笑顔で僕を見て、去っていった。
百合は何故あんな笑顔が出来るのだろう…
僕はあんなに百合を傷つけたのに、僕にあんな笑顔を見せてくれる。
百合は、僕の事はどうでもよくなったのかな。