この涙が枯れるまで
『んじゃ、どっかで座ろっか…』
『あっ!!うちのクラスでジュース買ってこうよ』
『あっそうだな~!!』
僕達はクラスへと戻った。
『いらっしゃいませ~』と歩が言う。
『午後って歩なんだ?』
『びびった~優かよ!!それと広瀬も!何にする?』
『私はミルクティー!!!』
『俺は、ラテでいいよ』
『ちょっと待っとけ~!!!』
『ありがと!』
『はい!お待たせ!!』
数分後、ふたつのジュースが出された。
『ありがと~!!斉藤君頑張ってね』
『頑張れよ、歩!!』
『おう!さんきゅ』
僕達は再びクラスを出た。
そして、校内にあるベンチに座った。
『おいしいね~!』
『うん、ナナのおかげじゃん?』
『そんな事ないよ~!!』
『んな事あるって!
てか、聞こうと思ってたんだけど、ナナお兄さんとどうなった?』
『ん?あ~…連絡は来るよ!もう一回あの私達の家で暮らす事になるかも。でもお兄ちゃんが大学卒業してからね』
『そうなん?でもまた住めて良かったなぁ』
『うん、嬉しい!!何か最近私嬉しい事ばっかり!』
僕はナナのその無邪気に笑う笑顔を壊したくなくて、必死になって守ったんだ。
でも僕には力不足でした。