この涙が枯れるまで


──…午後の部も終わり、文化祭が終了した。
でもまだ終わっていない。
そう後片付け。

『今日すげぇ流行ったよな!!俺びっくりしたし!!』


箒を持ちながら興奮して言う歩。


『ホントだって~疲れた~』

椅子に座って疲れた表情を見せる沙紀。


『でも楽しかったよね!』

満面の笑みを見せるナナ。



『お~!!』

夕日の光が、僕たちを輝かせた。


嫌な片付けもみんながいるから楽しかった。
でも文化祭が終わると普通の授業にもどる。
すごく憂鬱だった。




『つか、もうすぐクリスマスだな!!優と広瀬は何か予定決めた?』




僕とナナは同時に『何にも』と首を横に振る。




『は?何にも?ありえね~』



『じゃあ、歩は決めてあるんかよ?』




『もちろん!沙紀の家族と鍋パーティ!毎年恒例!なぁ沙紀』



『うん~だって歩私の家族と仲良いからさ~』



『仲良くしといた方がいいじゃん!!』




『もう飽きた~』




何か歩と沙紀を見ていると、夫婦に見えて仕方がない。
夫婦になったら面白いのにって少し思った。




『ナナ~今日時間ある?』


『ん?大丈夫だよ?』



『家来いよ~!クリスマスの事考えようぜ』




『おっけぇ!』




僕は早く片付けを終え、ナナと手を繋いで、僕の家に向かった。




もうそんな時期か。
クリスマス。
良い日になりますように。





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