この涙が枯れるまで
『ただいま~』
『おじゃましま…す』
ナナは僕の家が初めてだから、すごい緊張しているのが分かった。
『あらっ優、おかえり。……えっとそっちの人は?』
『あぁ…俺の彼女のナナ!!』
『あっ初めまして』
『初めまして。優をよろしくね?』
『あっはい!!』
僕達は母さんに挨拶を済ませると僕の部屋に向かった。
向かう途中、会いたくない人に会ってしまった。それは姉の幸。
『優~!!おかえり!ってあぁー!!!』
ナナは幸にびっくりしていた。
幸はこっちに駆け寄ってくると、ナナをじっと見ていた。
『あなたが優の新しい彼女?』
『あっ…はい…ナナと言います…』
『綺麗な顔~!!お肌スベスベじゃん!!!』
幸はナナの顔を掴み、ベタベタと触る。
『触るな!!触っていいのは俺だけ!!』
僕はナナを幸から離した。
『ケチ~!!これから旬とデートだから、じゃね』
『あ?旬君とか久しぶりじゃね?』
『やっと会えるわ~、
いってきまぁす!!』
幸は幸せそうに出て行った。
ナナは放心状態。
『ナナ?大丈夫?』
『うっうん…大丈夫…ちょっとびっくりし…た…』
『ごめんな~…幸悪い奴じゃないから』
僕達は僕の部屋に入った。