この涙が枯れるまで


──…クリスマスがあと少しというこの時期。
ナナと最近学校終わった後、遊ばなくなっていた。
いや、遊べなくなったんだ。
ナナがバイトで忙しかったから。
でも連絡はちゃんとしている。




《ナナ?疲れてない?》



今は夜の12時。
ようやくナナのバイトが終わったらしい。

《大丈夫だよ!!》


《お金必要なの?》


《欲しいものあるから!!》


《無理するなよ》


《ありがと☆》





ナナは寂しくないのかな。
僕は寂しい。
僕達は学校で会えるけど、それだけじゃ物足りない。


そう思うのは僕だけかな…
ナナは僕の事何てどうでもよくなったのかな。


不安が積もっていく。



明日でも冬休みに入ろうとしていた。
二学期最後の終了式。
僕達は体育館へと入っていった。
そしていろいろ話を聞き、二学期最後のホームルーム。


『明日から冬休みです!!みなさん風邪を引かないようにね』



担任の先生が最後を締めくくる。
早く帰りたいと、ソワソワしている生徒が何人もいた。
明後日はナナとクリスマス。
でも僕の不安は消えなかった。



『じゃあな~歩!!沙紀!!』

『斉藤くん~沙紀じゃあね』



『じゃあな優~広瀬~』
『鈴木君~ナナばいばぁい』



僕はナナの手を握り教室に出ていった。



でも、誰かに肩をたたかれた気がした。




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