この涙が枯れるまで


──翌日…
僕はナナのプレゼントを買いに街に出た。
電車を乗り継いで、都会へと向かう。
何買おうかな。
前、ナナがこう言っていた。

《ナナ何が欲しい?》
《今はないかな》


ナナは今欲しいものはないと言っていた。
もし欲しいものが決まっていたならば、すぐにそれを買うのに、欲しいものがないなら、何を買ったらいいか分からなくなる。



僕は街を歩いた。
アクセサリー?
香水?
雑貨?

ナナはほとんどアクセサリーをつけないし、香水は気に入ってくれないと嫌だし、雑貨なんてもらっても嬉しいかな。
優柔不断な僕の性格。

ちっとも決まらない。

僕はナナの顔を思い出す。



ナナの目は綺麗な二重で、優しい目をしている。そして笑うとかわいらしい八重歯が見えるんだ。ナナは朝、鼻と耳を真っ赤にしてくる。
寒いからかな。

鼻と耳が寒くて真っ赤にする…




僕は頭の中で思い付いた。
ナナへのプレゼント。

それは…マフラー。





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