この涙が枯れるまで
マフラーを綺麗にラッピングしてもらった。
ナナは喜んでくれるかな。
そうワクワクしながら家に着いた。
~♪
ナナからのメール。
《明日、15時くらいでいい?用意したいから》
《うん、いいよ。》
《じゃあ明日駅に15時ね。》
《うん、バイバイ》
15時、駅で待ち合わせ。
本当はもっと早く会いたかったが、僕のために料理を作ってくれるから我慢した。
―クリスマス当日。
外は二、三日前から雪が降り始め、少しだけ雪が積もっていた
。
ホワイトクリスマスにはならなかったな。
カーテンの隙間から見える外の光景を、残念そうに見ながら準備をした。
『母さん、スエットどこ?』
『タンスの中になかった?』
『分かった~』
『今日泊まってくるの?』
『うん… 幸は?』
『幸も旬君のところですって』
母さんはすごく寂しそうな笑顔を見せた。
クリスマスなのに、僕も幸も父さんもいない。
寂しい思いさせて、ごめんね…母さん。
『ケーキ作んの?』
『優も幸もいないんじゃ、作る意味ないじゃない』
『俺明日食べるから作って』
今日、一緒に祝えない分、明日一緒にケーキを食べよう。
それが僕の唯一出来る親孝行だから。
外はまだ雪が降っている。