この涙が枯れるまで



『優、お風呂どうする?』


『先にいいよ、入って?』



『優先に入りなよ!私片付けしたいから!』



『いいの?』



『うん、入って?』




僕は先にお風呂に入った。
お風呂で考えていた事。それは、ナナからのプレゼント。
何がもらえるのだろう。
すごく楽しみだった。
泡だらけの体をお湯で流し、お風呂から出た。


『ナナ先入ってごめんね?』



濡れた髪を、拭きながら、ナナのいる部屋へと戻った。



『いいよ。じゃあ私も入ってこよ~』




『うん!!』




ナナはお風呂へ行った。部屋に残された僕一人。さっきと同様、テレビをつけた。

早くプレゼント欲しいな。
そればっかり。



──ようやくナナがお風呂から出てきた。


『ナナ!!プレゼントは?』



『今? ケーキどうする?』



『ん~!!ケーキ食べたい!!でもプレゼントも欲しい!!』



『じゃあケーキからね』



ナナはなかなかプレゼントをくれない。

僕達はケーキを食べた。
ナナが作ったケーキ。
やっぱり味は絶品なんだ。


…やっと来たこの瞬間。ナナからのプレゼント。でもナナは僕があげたプレゼントを開けた。


『これ…マフラー?』



『うん!!ナナに似合うかなって思って!!』



『バーバリーじゃん。高かったでしょ?』



『余裕だって!』



『ありがとう!!!すごく嬉しい!! お守りとしてつけるね!』




『おう!!』



『じゃあ私からのプレゼントは~』



ナナが立ち上がり、クローゼットの中から袋を取り出した。





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