この涙が枯れるまで
バスで揺られ、僕は家に着いた。
『た…だいま』
『あっおかえり~優!』
『幸か~ あれ?旬君とデートじゃねぇの?』
『そうだよ~!!旬いるよ?』
『優~久しぶり!!』
幸の後ろから声が聞こえた。
久しぶりに聞く声。
背が高く、すらっとしていて髪は少し茶色で、スーツがよく似合う人。
『旬君?』
『久しぶりだな~、でかくなったな!!』
旬君と会うのは久しぶりだった。
旬君は医大生だから、なかなか会えないんだ。
旬君は僕を本当の弟とみたいに接してくれるから、何でも相談ができる。お兄ちゃんみたいな存在。
『優、幸、旬君。そんなとこで話してないでこっち来なさい??』
母さんリビングから顔を出して言った。
僕達はリビングに行き、話をした。
『優は、かっこよくなったな!! 恋でもしてんの?』
『へ?』
『してるよね~』
僕達は母さんの作ったケーキを食べながら話をしていた。
『そうなん?どんな子?』
『普通だって…』
『それがすごい美人なの!!』
幸が苺を一口で食べながら言う。
それを聞いて僕は照れてしまうんだ。
『まじ? 会いたいな~』
『あっそうだ!!27日優の誕生日じゃん!!連れて来なよ~! ちょうど旬もその日まで休みだし!!』
『優!!連れて来いって!!』
『え~!!』
『27日いくとこあるの??』
『まだ決まってない…』
『じゃあいいじゃん』
と口を揃える、幸と旬君。
ナナ…賛成するかな。
でも僕はナナを家族に紹介出来て嬉しかったんだ。