この涙が枯れるまで
僕は部屋に行き、ナナに電話をかけた。
『ナナ?27日の事なんだけど、家に来ない?』
『優の家?』
『うん、いいかな?』
『うん!!行く!楽しみ』
『じゃあ、バス停まで来れる?』
『うん、大丈夫!』
『じゃあバス停で待ってるから、10時頃に来て?』
『分かった~!!じゃあね!』
―プツ…
27日。
去年は最悪の誕生日だった。
今年は楽しくなるかな。
~♪
すると携帯が大音量で鳴り出した。
『はい?』
『優?俺、安里~』
『安里?そういえば話あるんだよな?』
『そうそう~。明日会える?』
『明日?多分何もないから大丈夫。』
カーテンを開けながら、電話を続けた。
『じゃあ明日会おうぜ~』
『何時にどこ?』
『んじゃあ駅の前の喫茶店まで来て~。夕方とか大丈夫?俺部活あるから』
『おう。いいよ~』
『じゃあ、16時に来てな!』
『分かった~』
『じゃあな!!』
『はーい』
―プツ…
安里の話ってなんなんだろう。
重要な事なのかな。
僕はリビングに戻り、旬君と幸と僕で夜遅くまで飲んだ。
久しぶりの飲酒。
そして久しぶりにタバコを吸った。
ナナのためにやめたタバコ。
吸ったら気持ち悪くなった。
もうタバコは二度と吸わない。
横を見ると、酔った幸を旬君が介抱してあげていた。