この涙が枯れるまで
―翌日。
目が覚めると、右横に幸、左横には旬君がいた。昨日、僕達はリビングで夜中まで会話し、そして雑魚寝していたらしい。旬君はスーツなのに、寝ていた。
時計を見ると、11時。
もう昼だった。
『あら、優。やっと起きたわね』
リビングには母さんがいて、昼食の準備をしていた。
『お…はよ』
僕は立ち上がろうとした。
でも頭が痛くて、すぐ座ってしまった。
二日酔い。
久しぶりに飲んだからかな。
頭がガンガンと痛い。
『母さん薬ない?頭いてぇ…』
『昨日あれからいっぱい飲んだんでしょ!! もう…全く。 薬箱のなかに頭痛薬あるから飲みなさい』
僕は薬箱をあけ、頭痛薬を飲んだ。
これから安里と会うのに、大丈夫かな。
僕は昼食が出来るまで、シャワーを浴び、着替えた。
まだ頭は痛い。
『母さん俺夕方出かけるから』
『分かったわ。夜遅くならないようにね??』
『うん』
僕はまだ寝ている幸と旬君より先に、昼食を済ませ、部屋へと戻った。
部屋には昨日ナナからもらった香水があった。
僕は香水を手に取り、シュッと手首と首につける。
ナナと約束をしたから。必ずつけるって。
甘酸っぱい、その香水は、ナナと百合、二人の女性を思い出させる、香水なんだ。