この涙が枯れるまで
~第十三章・再会~
ナナを幸せにすると誓っても、僕は、止まったまま。
百合の事を考えたって、僕は何も出来ない。
ナナを悲しませるだけだから。
僕は12月27日で17歳になった。
この一年、僕にいろいろな事が起こった。
後悔することばかりだ。
今日はナナが家に来る日。
僕は一階に下りていった。
『…おはよ』
『優~!!誕生日おめでと』
俺の姿を見た瞬間幸が笑顔でこう言った。
『ありがとう』
『何、元気ないじゃん?』
『何でもねぇよ?旬君は?』
『旬は家に帰った~着替えてくるって!!また来るよ』
『ふぅ~ん』
今日は誕生日だというのに何故か喜べなくて、どうしてだろう?
僕の心に、モヤモヤとした黒い影がある気がした。
でも僕は昨日答えを出した。
ナナを幸せにするって。
大丈夫…僕は迷わない。
でも僕は迷路の入り口の前にいた。
この迷路は、先が見えない迷路だった。
僕は、まだ雪が降り止まない中、バス停までナナを迎えにいった。
ちょうどバス停に着いた時、バスが来ていた。
そして、ナナがバスからおりてきた。
今日のナナは、スカートを履いていて、可愛い格好をしていた。
そんなナナを見たのは初めて。
必ず僕の鼓動は動くんだ。