この涙が枯れるまで
──夜空が、だんだん明るくなって、朝日が見え始めた。
僕とナナは、僕の部屋で寝ていた。
幸と旬君もまだ寝ているだろう。
横でナナはまだ寝ていた。
僕はナナの顔を覗いた。すごく気持ち良さそうに寝ている。
僕の手を握ったまま。
僕はそっとナナの手を離し、ベットを出た。
何故僕はナナの手を離してしまったのだろう。
僕が離さなければ、ナナを悲しませる事なく、幸せに出来たかも知れないのに…
僕は用を済ませ、再び部屋に戻った。
部屋に戻ると、ナナが起きていた。
『ナナおはよ』
『…おはよぉ』
『昨日はありがとな』
『ううん、こっちこそありがとう』
『母さんが朝飯作ってくれたけど、食う?』
『うん、頂く!! 幸さんと、旬さんは?』
『ど~せ寝てるよ。行こ!!』
僕達は一階へおりて行き、リビングへと向かった。
『優、ナナちゃんおはよ』
『お~』
『あっおはようございます!!』
『朝食出来てるから、食べなさい?』
『はぁ~い』
『いただきます』
僕達は朝食を済ませ、ナナは帰る支度をし始めた。
『ナナ?帰んの?』
『うん、今日はお兄ちゃんと会うの』
『ああ…そっか…』
『また遊ぼ?元旦に、初詣行こうよ!!』
『うん!!行く!!』
『また連絡するね、バイバイ!!』
こう言って、ナナは去って行った。
もう少しだけ、ナナといたかったな。
一人になると、考えてしまうから。
百合の事を…。