この涙が枯れるまで



僕のおみぐじは最悪なことに、大凶だった。



『ありゃ~… でも運だよ!!』



ナナの言葉が少しだけ痛かった。
僕はおみくじに書いてある事を読んだ。


《恋愛:迷いが生じる》


僕はこの文字に目が止まった。


迷い?僕は迷うの?
でも僕はあまり信じなかった。
たかがおみくじ、そう思っていたんだ。




『優?これからどうする?』




『ん~どっか行きたい?』



『水族館!!』



『水族館って今やってんの?』




『都内の水族館はやってるよ!!』




都内の水族館。
そこは百合と行った事のある水族館。


『え…?』


『行かない?』



『…うん…いいよ?』




僕は何故反応をするのだろう。
百合と一度だけ行った事があるというだけなのに。
何故こんなにも反応するの?


やめて。止まって。
歩が前に僕に言った言葉が蘇る。

《でも体は正直だろ?》


体は、すごく…正直でした。





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