この涙が枯れるまで


もう冬休みが終わりを告げようとしていた。
新学期が始まる。
僕の中は、まだ暗い。

久しぶりの学校。
歩と沙紀に会うのが楽しみだ。
もちろんナナにも。
下駄箱で歩と会った。


『あっ優~!!おはよ!!』

『おっ歩おはよ、久しぶり』


『だな~!!どうだった?冬休み』



『ん?普通~』


『何だそれ!!つか、香水つけてる?』



『分かる?くさい?』


『全然!いい匂いだな!!広瀬にもらったの?』



『お~』


『いいな~!!』




目の前には懐かしい2年4組。
教室にはまだナナと沙紀はきていなかった。
そして、少し経つとナナが来た。
僕があげたバーバリーのマフラーを付けて。

すると僕の胸は締め付けられるような感覚になる。
やっぱり無理してるのかな。


『優!!おはよ~!! 斉藤君久しぶり!!』


『…はよ』

『久しぶり!!』


『あれ?沙紀は?』


『もうすぐ来るんじゃね?あっ来た』


『ナナおはよ~!!久しぶり!!』


『沙紀おはよ~!!冬休みどうだった?』




『聞いてよ!!歩が~』



『俺なんかした?』




いつもと同じ学校。
いつもと同じ友達。
いつもと同じ会話。
でも僕は違った。
こんな状態で、日はどんどんと過ぎていった…



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