この涙が枯れるまで
─…始業式。
桜がはらりと落ちていく。
僕は三年生になった。
今年で高校生活が終わる。
すごく早く感じる。
僕だけかな。
僕とナナは、クラス発表の紙を見に行った。
『ナナ?何してるの?』
ナナは両手を絡ませ目をつぶり、ブツブツと何かを言っていた。
『ナナ?』
『願ってるの!!』
『何を?』
『同じクラスになれますようにって!!』
『そうなんだ?見るよ?』
『うん…』
僕は貼り紙を見た。
すぐナナの名前は見付かった。
でも僕の名前はなかった。
『ナナ、3―4だって。俺の名前ない…』
『え~…!!じゃあ優は?何組?』
僕は自分の名前を探す。
『俺は…えっと…あった!!! 3―2!! そんな遠くないじゃん!!会いに行くよ』
『あ~ショック!!沙紀とも離れたし~…斉藤君とも…』
『あっ!!俺歩と沙紀と同じクラスだ』
『わたし仲間外れじゃん…』
『大丈夫だって!!』
僕はナナの頭を撫でた。
ナナは気付いていたかな?
僕は気付かないふりをしていた事を。
3―2のクラスにある人の名前がある事を。
ナナは気付いていた?