この涙が枯れるまで
―キーンコーンカーンコーン
僕は席へと着く。
チャイムと同時に座り出す生徒。
僕の方に近付いて来る足音。
その足音は僕の隣で止まるんだ。
その人は、百合。
僕の鼓動が動き出して、手には汗をかく。
何故人間ってこんな風になるのだろう。
嫌な生き物。
僕は百合の方は見ないようにした。
ずっと僕は右側を見ていた。
でもやっぱり百合の事が気になってしまうんだ。
今、百合は何を思っているのかな、
今、百合はどこを向いているのかなとか。
僕は考えたくないのに考えてしまう。
そんな生き物なんだ。
僕は歩に話かけた。
『なぁ…沙紀は?』
『あれ?来てないな。もうすぐ来るんじゃね?』
『ふぅ~ん…』
だめだ。
横にいる百合が気になってしまう。
早く先生来ないかな。
早く学校終わらないかな。
―ガラガラ…
『ごめんね!!遅くなって!!』
教室に入ってきた先生。見覚えのある顔。
それは林先生だ。
三年間同じ先生。
少し運命だと思った。
これは、神様の悪戯なのかな…
でも神様は、僕の幸せまで取ろうとするんだ。