この涙が枯れるまで

僕達は沙紀の家で夜まで話をしていた。
あっと言う間に外は真っ暗。

『もうこんな時間じゃん!!ナナ帰るか?』

『そうだね、沙紀を休ませなきゃね』


『ホント二人とも今日はありがとね!!嬉しかった!』



『大丈夫!!沙紀明日は学校来いよ!!』




『沙紀、お大事にね!!』


『ありがとう!』


『俺下まで送ってくよ』



こう歩が言う。


『いいって。お前は沙紀の傍にいろって!!』


『あ~…おう。悪いな』


『じゃあまた明日な!!』


『じゃあな~今日はさんきゅ』




僕達は沙紀の家から出ていった。
夜桜舞う中、僕たちは歩く。
ピンクと黒。
この二色が、切なさを膨らませる。



『沙紀、大丈夫そうで良かったな!!』




『ホントだね!!』




『ナナは俺が病気したら、看病してくれる?』




『あっ当たり前じゃん!!一日中するよ』




『照れるし!!』




『優から言ったんでしょお~!!』




今の僕に、嘘の笑顔とかってあるのかな。
嘘の笑顔は笑っているフリをする事。
僕のナナに見せる笑顔は、嘘の笑顔なのかな。





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