この涙が枯れるまで
『じゃあね、優』
『じゃあな、ナナ』
僕はナナと別れ、家に帰って行った。
『ただいま~…』
『あっおかえり。お父さん帰ってきてるわよ』
父さん?
今父さんは単身赴任中じゃなかったっけ。
帰ってきたのかな。
僕はリビングに行った。
『優、久しぶりだな』
『父さん? 帰ってきたの?』
『ああ…仕事が一段落したからな。お前、学校はどうだ?ちゃんと行ってるのか?』
『あ?あ~…』
横から会話の中に口挟んだ人がいた。
『優は彼女とラブラブだよね~』
あいつしかいない、幸だ。
『幸か…元気だったか?それと優、幸が言ってるのはホントか?』
『ああ…まぁな』
『ほどほどにしとけな、幸、旬君とはどうだ?』
『なかなか会えないけど、続いてるよ~』
父さんは旬君の事が気に入っている。
医大生だからかもしれない。
『母さん、俺飯いらない~眠いから風呂入って寝るわ』
『そう?分かったわ』
僕は自分の部屋へと戻った。
ベットに寝転ぶ。
天井を見て、僕は目を閉じ、考えた。
ナナといると幸せ。
ナナといると楽しい。
ナナがいればそれでいいんだ。
僕はだんだんと眠りについた。