この涙が枯れるまで
何かを思い出す。
思い出すあの光景。
二年前の時も、こんな始まり方だった。
『学級委員やりたい人いない~?』
先生の声で僕は動き出した。
ゴクン…僕は唾を飲んだ。
クラスの反応はシーンとしたまま。
僕の鼓動はでかく鳴っている。
『じゃあ…クジで決めましょう!! 今から作るから待ってね!!』
僕の鼓動が更に速くなる。
だんだんと手には汗が出てきた。
このクジで、僕と百合は仲良くなれた。
もしこのクジがまた当たりだったら、僕はまた百合と仲良くなるのかな?
そんな不安と変な気持ちが入り混じる。
そして運命の時は必ず来るんだ。
『クジに当たりって書いてあった人が学級委員ねー。取りにきて!!』
こう先生が言うと、クラスのみんなは立ち上がり、クジを取りに行った。
すると歩が俺に言う。
『そんな心配しなくっても、またなる訳ねぇから。もしまた当たりだったら、優はそうとうクジ運悪いって事だって』
『はぁ…』
僕は立ち、クジを引きに行った。
この一枚のクジに運命が書いてある気がした。
クラスがザワザワとしている。
『良かった!』
『セーフ』
などいろいろな声が聞こえる。
『優!!どうだった?俺セーフ!!』
僕はクジをゆっくりと見た。
『やべぇ~俺になってまった~!!』