この涙が枯れるまで
『やべぇ~俺になってまった~!!』
『優?』
『……はっハズレ』
どうやら当たったのは僕の後ろの人らしい。
『良かったじゃん!!』
『…うん』
当たらなかったのは嬉しいが、何だろう。
この胸の穴は。
期待とかしたのかな。
百合ともう一度学級委員がやりたかったのかな。
『学級委員になった人前に来て~』
すると僕の後ろの人が立ち、前に行った。
女の子は誰になったのだろうと、横を見た。
そしたら、前に行く人を見たんだ。
サラサラな髪を揺らしながら。
そう、百合だった。
『学級委員は佐々木君と小林さんになりました!!はいっ拍手!!』
拍手をするみんな。
僕はただ呆然とするだけ。
百合…
百合になったんだ。
二年前、僕もあんな風に百合の隣で拍手をうけていた。
でも今は僕は拍手をする方。
何だろう…すごく今、園田が羨ましい。
そして二人は席に戻って行った。
百合は僕の隣に戻って行った。
百合は後ろを向き園田の方に向いた。
『園田君よろしくね!!』
こう言って、前に向き直した。
ドクン…
鮮明に記憶が残っている。
《鈴木君よろしくね!!》
百合の言葉が頭の中に駆け巡る。
ドクン…
モヤモヤとしたものが僕を襲う。
これって…これって…
ヤキモチ…