この涙が枯れるまで


僕は神様が嫌いになった。
何故神様は僕にだけ悪戯をするの?
何故神様は僕にだけ意地悪するの?
目の前で座っている女の子が、僕と同じ理由で泣いた女の子が、百合だなんて…


『…………』



『…………』



お互い何も話さない。
ただ見つめるだけ。
何かを確かめるように。ただ、ただ、見つめるだけだった。



『先生…俺帰るわ』



『はい、分かったわ。お大事に』



百合も昨日泣いたという事実を聞いて、僕はすごく後悔をした。
あの時、僕は百合を突き放したから。
突き放すような言い方をしたから。
百合はすごく傷ついたんだ。
全部僕のせいで。
僕が全て悪い。
僕がはっきりしないから、百合だってナナだって傷ついていくんだ。



神様…
もう少しだけでいいから…僕に時間をくれませんか?
必ず、答えを探します。

それには、もう少し時間が必要なんだ。

お願い…これだけは聞いて?
そしたら、僕をいじめていいから。



気持ちがはっきりしないと、僕は迷路から抜け出せない…






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