この涙が枯れるまで


何も変わらない僕の街。でも僕の心は変わって行くんだ。
穏やかな気分になる。
自分の気持ちが見え始めている気がするんだ。
僕はこの丘から街を見下ろした後、次は星空を見上げる。

ここは空に一番近い場所だと思うんだ。
手を伸ばしたら、星が手に入りそうな気がするんだ。
ここは僕の秘密の場所。


―翌日…

僕はまたあの秘密の場所に向かおうと思っていた。
急いで用意をしまう。


『あっ鈴木君ちょっと来て?』



でも先生に引き止められてしまった。


『はい…』



『鈴木君…ちょっと来れる?』



僕は隣の空き教室に呼ばれた。


『座って?』


僕は言われた通り、座った。



『何ですか?』


『最近…鈴木君顔色悪いわよ?ちゃんと寝てるの?』



『心配しないで下さい…大丈夫ですから』



『斉藤君心配していたわよ?聞いても話してくれないって』



『………』


僕は歩にいろいろ聞かれたが《何でもない》と言うだけだった。
歩…心配してくれてたんだ…


僕の罪悪感はどんどんと積もっていく。



『まぁ…無理にとは言わないわ、気を付けなさいね』



『はい…』



先生は教室から出ていった。
みんな僕の事を心配してくれている。
そんな些細な事が、僕の心を癒していくんだ。




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