この涙が枯れるまで
夕日が月へと変わろうとしている時、僕はまだ教室にいた。
教室にはいるのは僕だけではない。
『……百合…』
『鈴木…君…』
『百合…何してるの?』
百合は部活の格好をしていた。
『忘れ…モノ』
『何を…忘れたの?』
『…………』
『もしかしてさ…これ?』
僕は百合に指輪を差し出した。
百合は縦に首を振った。
『何で?今こんなものがあるの?』
『思い出だから…大切な宝モノだもん…』
『俺達…別れたじゃん…』
『私は…私は…』
『…何?』
僕はまた迷いだす。
でも、僕の気持ちは見え出した。
『私…まだね…優…君が好きな…の』
ドクン…
『何言って…』
『ホントに…ずっとずっと好きだった。別れた後もずっと…』
百合は泣きながら僕に言う。
『優君…私あなたが好き』
僕が以前見た夢が今現実となって現れる。
そして僕は今何をしている?
腕の中には泣きながら僕を抱きしめる百合。
そんな百合を抱きしめる僕。
歩…歩が言った事、今分かったよ。
歩は間違っていないね。
体は正直に行動をした。