この涙が枯れるまで
僕はナナの横に座った。ナナが泣き止むのを待った。
青空が、僕たちを見守ってくれていた。
『ごめんね…泣いちゃったりして』
『いいよ…でも…ナナどうしたの?いきなり何で泣くの?』
『優は…鈍感ね』
『どういう意味?』
ナナは静かに話してくれた。
『優…私不安だよ…私の事嫌いにならないで…私から離れないで…お願い…お願い…』
ナナは振り絞った声で僕にすがり泣いた。
『……ナナ……』
でも僕はナナを抱く事は出来なかった。
百合みたいに、抱けなかった。
ただナナの頭を撫でる事しか出来なかった。
『ナナ…泣かないで…』
『優…私不安なんだよ~…優…私優が好きなのに…』
夢の中で言っていたナナの言葉。
あの夢は間違いなく正夢になった。
『ナナ…大丈夫だから…』
僕が言ったこの言葉はとても弱々しかっただろう。
ナナを余計不安にさせただろう。
僕は罪な男なんだ。
神様…僕に残された時間はあとどのくらいですか?