この涙が枯れるまで
静かに時間は過ぎていく。
『…ご…めんね、私弱いからかな…』
『ナナ…』
『優…嫌いにならないでね…私の事…嫌いにならないでね』
『…うん』
『ありがと…』
『ナナ…』
『何?』
『暫く…距離置かないか?』
『え…?』
『そしたら、俺の気持ちはっきりすると思う。誰が大事なのかはっきりすると思う…だから少しの間距離を置こう…』
『…嫌だって言ったら…?』
『俺は…中途半端になると思う…ナナを中途半端に愛してしまうと思う…』
『そっか…分かった…じゃあ暫くの間、メールも電話もしない。話しかけないし、目も合わさないようにする……』
『ナナ…ごめんな…はっきりしたら直ぐ話すから…』
『いいの…分かった。ちゃんと聞かせてね?待ってるから…』
『うん…じゃあ…行けよ』
『うん…じゃあね…バイバイ…』
ナナは屋上から姿を消した。
僕はナナを傷つけただろう。
罪悪感が更に積もる。
ねぇ…神様。
僕の事をイジメていいから、僕の事を連れてってもいいから、あの人だけはやめて…
僕はあの人がいないとダメなんだ。
でも神様は、あの人を連れて行きました。