この涙が枯れるまで
『和樹…』
『優…久しぶり。この前は悪かったな…』
和樹が謝って来た。
びっくりした。
『いや、俺も悪かった…ごめんな』
『ま~いいよ!しょうがねぇじゃん?優はかっこいいし、俺勝てる気しねぇもん』
『…………』
『優はさ…小林の事好きなんだろ?』
『…分からん』
『そっか。まぁ好きでも好きじゃなくてもさ、俺に構わず行動してくれていいから』
『は?和樹もう、百…あっ小林の事はもういいのかよ?』
『うん、俺好きな人出来たし』
『まじで?』
『うん、もう小林は好きな人いるから無理じゃん、俺はちゃんと進んでんの。』
『そっか…頑張れよ』
『おう!さんきゅ!!じゃな』
和樹は手を振って帰っていった。
和樹が言った言葉を思い出していた。
《俺はちゃんと進んでんの》
和樹はちゃんと前に進んでる…
それに比べて僕は前に進んでるだろうか?
久しぶりにみた和樹は、とても輝いていた。
今の僕は全然輝いてない。
周りを気にして何も行動出来ない弱虫。
僕の気持ちは…
《百合が好き》
ただそれだけ。
僕は百合が好きなんだ。
誰にも負けないくらい、百合を好きなんだ。