この涙が枯れるまで
最近百合に告白された事。
ナナが僕の前で泣いた事。
僕の答えが出た事。
全て話した。
『……何て言ったらいいか分かんねぇ…』
『…だよな…歩ごめんな…俺溜めすぎたみたいだ』
『優…お前はさ…誰が大事かはっきりしたんだろ?』
『…うん』
『じゃあ言いに行けよ』
『じ…自信がないんだ。まだ恐くて…ナナを泣かせるんじゃないかって…ナナが悲しい思いするんじゃないかって…怖いんだ…』
『…優、お前ってバカだよな。早く気付けよ』
『…何が?』
『不安なんだよ、誰でも!!今のこの時間だって、広瀬や小林だって不安で悲しい思いしてんだよ!!お前がそう言ってるこの時間だって、広瀬は泣いているかもしれない。
小林だってそうだぞ?
早く行けよ、言いに行けよ』
『歩…』
『お前ってそんなヤツだったっけ?お前ってそんな弱い人間だったっけ?』
『俺は…弱い』
『お前はホントなんも分かってねぇ。みんな同じなんだよ。みんな弱いんだ。俺だって弱い。
でもな、弱い人間は、必ず強い人間になれるんだぞ?それは、努力するかしないかの差だ』
『………』
『優…今のお前努力してるかよ』
歩は僕の背中を押してくれた。
僕は暗くて、狭い迷路から、抜け出そうとしていた。
目の前にゴールを見つけたんだ。