この涙が枯れるまで
『優…君…?』
僕はその人の言葉で、
動いていた足を止めた。
僕も振り返る。
辺りが暗くて、顔がはっきり見えなかった。
でもよく見ると懐かしい人が立っていた。
『……瞳?』
僕の前に立ってた人は、
相沢瞳だった。
『久しぶりだね!!同じ高校でも全然会わなかったね!?一年ぶりくらいじゃない??』
『久しぶりだなぁ!!まじで、元気してた?』
瞳をこんな久しぶりにみたのはいつぶりだろう。
瞳とは全然連絡を取っていなかった。
僕にはナナが居たから。
『瞳部活?』
『あっうん、さっき終わったんだ』
僕は携帯を開き、時刻を見た。
もう8時を回っていた。
『こんな遅くまで練習してんの?』
『うん!!だってキャプテンだもん』
『すげぇ!!でももうすぐ引退だろ?』
『そうだね~寂しいよ』
『瞳…今彼氏いんの?』
『いないよ~バスケが恋人かな…今は』
『そっか…』
外灯が僕達を照らす。
月がだんだんと満ちていく。