この涙が枯れるまで
―キーンコーンカーンコーン…
6時間目の終了のチャイムが鳴る。
『おっしゃー!!学校終わり!沙紀~帰るぞ~!!』
『待って~!!』
『優~小林~ばいちゃ!!』
『鈴木君~百合~またね』
『じゃなー』
『ばいばい』
二人は猛スピードで教室を出ていった。
『相変わらずだな…』
『見てると楽しかったりするけどね!』
『百合今日部活?』
『うん~!!だから帰っていいよ?』
『待ってるよ!!』
『ホント?ありがと~!!じゃあ部活行ってくるね』
『頑張ってな!!』
『また後でね~!!』
百合は元気よく部活に行った。
部活が終わるまで、まだまだ時間がある。
どうしようかと考えた。僕は久しぶりにあの秘密の場所へと行った。
小さな丘を登り、ベンチに座り、街を見下ろした。
久しぶりにここに来た。僕はよくここで考えた。
ナナか百合か。
百合と答えが出た後は、全然来なくなった。
夕日が僕を覆う。
その風景が、とてもキレイだった。
あとで百合に見て欲しいと思い、携帯で写真を撮った。
―パシャ…
この行動が、僕の夢の第一歩になった。