この涙が枯れるまで
僕は帰り道、思いきって百合に聞いた。
百合の進路を。
『百合!!進路教えてよ!!』
『え?』
『いいじゃん!俺だけに教えてよ?』
『え~いいよ?でも内緒ね?』
『うん!!』
百合は百合の夢について話し始めた
。
『私ね~英語好きでしょ?だから、いろんな国の語学学びたいの。留学したいんだ~』
『え…留学?』
『うん…今ね、先生と話し合ってるの』
『な…何を?』
『ん?留学についてだよ?もうすぐ、ホームスティするかもしれないの』
『えっ…?何?は?いっいつ?』
『今月の下旬くらいかな…』
今月の下旬に百合は旅立つの?
今…今月の上旬だ。
何故もっと早く言ってくれなかったの?
そしたら…そしたら…
もっと百合と一緒にいれたのに…
『百合…何で早く言ってくれなかったの?』
『まだ…決まってないから。先生の許可が必要なの。今会議中なんですって。だからいいかなって…』
『百合は…さ…俺と離れて平気なの?辛くないの?』
『辛いよ…だから、まだ言わなかったの。優君が反対するんじゃないかって…』
『百合なんかどこへでもいけばいい…』
僕は百合の手を振りほどき走った。
こんな暗い街に、百合を残して。