この涙が枯れるまで
ゆっくりとした速度で、僕達の時間は百合の部屋から、動いている。
『百…合…』
『優君…私をずっと好きでいてね?』
『ずっと好きだよ…』
僕は百合の首筋に僕のモノという印を付けた。
それを付けた時、百合はまた泣いたね。
百合は泣き虫だから、僕は百合を離したくなくなるんだ。
『優君~…』
百合の涙はあの時と同じ。
百合は何も変わっていなかった。
ずっとずっと、百合の気持ちも何も変わっていなかったね。
『明日学校だし、帰るな』
『うん~…』
百合はまだ眠たそうだった。
『あっ起きなくていいよ、寝てろよ』
『送ってく~』
『大丈夫だって、俺平気だから。じゃあな百合』
僕は百合に軽くキスをして、百合の部屋を出た。
百合の匂いで溢れている百合の部屋を、僕は寂しい背中を百合に向けて、部屋を出ていった。
今日の月は三日月、空が僕達を見て笑っている。
暗い空に笑う月。
その月は悲しそうで、無理矢理笑っているように見えた。