この涙が枯れるまで
僕が百合の運命を変えたんだ。
僕が百合の人生を壊してしまったんだ。
百合…ごめんね…
こんな事を言っても、もう遅いね。
あと百合と一緒にいれる時間は一週間。
短い。
短すぎる。
あとどれくらい百合を幸せにできるかな…
あとどれくらい百合の中を僕でいっぱいに出来るかな…
僕はこの夜、泣きながら眠った。
朝起きると身が重い。
上手く動けない。
でもあと一週間もある。百合とあと一週間も一緒にいれると考えたら、なんだか身が軽くなる、そんな気がした。
朝、学校に着くと歩と沙紀が静かだった。
『…どうした?』
『どうしたじゃねぇよ!!
小林留学するんだって??』
『…あぁ…』
『何で言わなかったんだよ!!!』
『俺も昨日聞かされた』
『あと一週間もないんだぜ!!??それでいいんかよ!!』
『いいんだ…百合の夢だから。俺は応援するって決めたんだ…』
『優……』
この日百合は休んだ。
昨日パスポートや手続きをするとか言っていたから。
隣に百合がいない。
こんな生活が3ヶ月も続く。
僕は…耐えられる自信はなかった。