この涙が枯れるまで

もう百合がいなくなるまであと2日だった。
横で歩と沙紀と話している百合が明日にはいなくなる。
笑顔で話す百合がもう明日でいなくなる。

僕は明日まで笑顔でいよう。


それからいっぱい泣こう。
百合の前で泣いたら、百合が安心して行けなくなるから。

百合との貴重な時間は、いつもより早く過ぎて行った。



―そして帰りのホームルーム…


『えっと明日から3ヶ月カナダで留学をする小林さんは、今日で少しの間みんなとお別れです、小林さん前に出てきて?』


恥ずかしそうに百合は前に出ていく。


太陽の光が、スポットライトのように見えた。
前に立つ百合を、自然の光が照らす。



『みんな拍手して!!』


―パチパチッ


みんな百合に拍手をする。


『小林さん、どうぞ?』



『はい…えっと…明日から私はこの地を離れます。
みんなと離れるのは、ホントに寂しいです…
でもまた笑顔で帰ってくるのでよろしくお願いしますね!!』



また再び拍手でクラスがまとまる。
笑顔で前に立っている百合が、すごく輝いていたんだ。



『優?明日見送り行く?』


『当たり前じゃん!!』



明日で百合に会えるのは最後だ。
また会えるのは3ヶ月後。
百合を感じていたい。






< 324 / 419 >

この作品をシェア

pagetop