この涙が枯れるまで
もう百合がいなくなるまであと2日だった。
横で歩と沙紀と話している百合が明日にはいなくなる。
笑顔で話す百合がもう明日でいなくなる。
僕は明日まで笑顔でいよう。
それからいっぱい泣こう。
百合の前で泣いたら、百合が安心して行けなくなるから。
百合との貴重な時間は、いつもより早く過ぎて行った。
―そして帰りのホームルーム…
『えっと明日から3ヶ月カナダで留学をする小林さんは、今日で少しの間みんなとお別れです、小林さん前に出てきて?』
恥ずかしそうに百合は前に出ていく。
太陽の光が、スポットライトのように見えた。
前に立つ百合を、自然の光が照らす。
『みんな拍手して!!』
―パチパチッ
みんな百合に拍手をする。
『小林さん、どうぞ?』
『はい…えっと…明日から私はこの地を離れます。
みんなと離れるのは、ホントに寂しいです…
でもまた笑顔で帰ってくるのでよろしくお願いしますね!!』
また再び拍手でクラスがまとまる。
笑顔で前に立っている百合が、すごく輝いていたんだ。
『優?明日見送り行く?』
『当たり前じゃん!!』
明日で百合に会えるのは最後だ。
また会えるのは3ヶ月後。
百合を感じていたい。