この涙が枯れるまで
『ねぇ…優君?…勉強頑張って?夢叶えて?百合も頑張るから』
『うん…うん…』
『あとね、これだけは言っておくね…』
『な…に?』
『私…優君の事…』
―まもなく○○空港発、○○空港行、搭乗します。お急ぎください。
『百合!!早くしなさい!!』
百合は僕にキスをした。そのキスの味は、しょっぱくて、切なくて、でも今までしてきたキスと違った。
百合が笑顔で飛行機に乗っていった。
百合の言葉が最後まで聞けずに。
すると、ポケットにある携帯が震えた。
僕は携帯を開く。
メールだ。
受信フォルダを開けると、差出人は百合だった。
そのメールには、こう書いてあった。
《愛してる》
これが最後に百合が言いたかった言葉。
《私、優君の事愛してる》
僕の人生の中で一番幸せな言葉だった。
『百合…俺も愛してるよ』
百合は夢に向かって旅立った。