この涙が枯れるまで
~第十七章・運命~
百合が僕から離れていった。
百合は夢に向かって走っていく。
僕も百合と同じように、走り出した。
でも百合がいないと、僕は何も出来ない。
百合の笑顔が見たくて、見たくて…
こんなにも世界って、つまらなかったっけ?
百合がいないだけで、こんなにも、寂しいっけ?
百合は僕の中で、一番輝いている人なんだ。
今日も僕は百合のいない学校へと行く。
教室に着くと、やっぱりまだ慣れていないせいか、
百合を探してしまう。
『おはよ~優』
『おはよ』
『慣れたか?』
『…全然』
『3ヶ月頑張れよ!!3ヶ月頑張ったら、もうずっと一緒じゃん?』
『そうだな!!』
僕は歩の言葉に少しだけ自信がついた。
3ヶ月経てば百合に会える。たった3ヶ月だ。
百合と別れてからの一年半に比べれば、どうって事ない。
百合…僕は百合の約束ちゃんと守るよ。
百合がいない間勉強頑張るから。
百合も頑張ってね。
もう気が付けば、中間テストの時期になっていた。