この涙が枯れるまで
『答辞、三年二組鈴木優』
『はい』
僕は壇上に上がる。
『答辞…
桜が咲き始めてまだ浅い頃、僕達はこの学校に入学をしました。
どこになにがあるか分からない、まだ幼い気持ちで。今から話す答辞は、
答辞ではないかもしれません。僕の気持ちを言います。
僕は初めて恋というものを知りました。
人を好きになり、僕は何かが変わりました。
次に僕は人を愛しました。更に僕は変わりました。
人を愛すだけで、こんなにも人は変わるという事を学びました。
僕はその事を教えてくれた人に《ありがとう》と言いたいです。
僕は愛する人を亡くしました。
いっぱい泣きました。
辛くて…
辛くて…死にそうでした。でも助けてくれた人がいます。それは、この高校で出会った友達です。
励まされて、僕はすごく嬉しかったです。
みなさんは、今…
人を愛していますか?
愛しているのなら、
とことん愛して下さい。
なくさないように、
愛して下さい…
これが僕の答辞です》
僕が答辞を読み終えると、たくさんの拍手で溢れた。
泣く人もあれば、笑う人もいた。
僕は、そんな光景をみて、笑顔になった。