この涙が枯れるまで
~第四章・告白~
僕は決めたんだ。
百合に告白するって。
今まで僕は弱くてダメな人間だったけど、百合を想う気持ちは誰にも負けない。
負ける気がしなかったんだ。
百合は僕の事を好きじゃないかもしれない。
でもちゃんと伝えよう。
僕は百合が好きだ。
大丈夫、この気持ちは嘘じゃない。
~♪
携帯が鳴る。
《新着メール 一件》
誰だろう?
宛先《 瞳 》
久しぶりに瞳からメールが来た。
《明日話があるから、朝体育館に来て☆》
話って何だろう…
《分かった☆》
送信。
まぁ明日の朝には分かる事か…
寝よ…
僕は、告白という大きな賭けをしにいくんだ。
翌朝、僕は瞳との約束があるため早く学校に行った。
カバンを机に置いて、体育館に向かった。
『瞳?』
瞳は、ステージの上にいた。
『あっおはよ!!ごめんね?』
『良いけど…何?』
『私が優君に気があるって知ってた?』
実は手紙をもらったあの日から気付いていた。
瞳が僕の事を好きな事を。
『私、優君が好きなんだ…あたしじゃ優君の彼女になれないかな…?』
なにも音がしない体育館。
この日朝練はやってないないから体育館はすごく静かだった。
二人しかいない体育館…
瞳からの告白…
どうしたら…
でも答えはもう出ていた。
『ごめん…俺好きな人がいる…』
『…そっか…分かった、ごめんね?でも普通に喋りかけてもいいでしょ?』
『やっそっちのが有難い…』
『ありがとう!何かすっきりした!! じゃあ…ね』
『瞳…ありがと、俺みたいな奴好きになってくれて』
『優君はいい人だよ?だから好きになったんだもん,優君頑張ってね!バイバイ』
『うん…バイバイ』
瞳ありがと。
頑張るよ。
艶やかな髪を揺らしながら、瞳は朝陽が射す、
出口へと向かっていった。