この涙が枯れるまで
入学式とかはっきりいって、めんどくさかったんだ。
でももうそんな気持ちは、どこにもなかった…
その理由は、君がいたから…
──…ガラガラッ…
教室に一人の先生が現れた。
『えっと初めまして。1年2組の担任の林和子です。
みなさんよろしくね』
こう言って、僕たちに微笑む。
何か想像と違った。
想像では男で怖そうな人だと思った。
でも全然違った。とても優しそうな女の先生。
少し安心した。
隣には好きな人。
担任は優しそうな人。
まじ楽しくなりそうだ。
『そうだ!!!俺友達作らんと!!』
重要なことが僕の体中を駆け巡った。
僕は視線を前へとずらす。
後ろ姿じゃ、髪の毛ツンツンで、金髪?
入学式に金髪はすごいな。って僕も茶髪だけど。
僕らの学校は、レベルはそこそこだし、校則もないし、まじ最高の学校。
って友達作らんと………
するといきなり前の人が僕を見てきた。
『名前何ていうん?』
『はっ?俺?』
『君しかいないやろ!』
彼は白い歯を見せて、笑顔を向けてきた。
『だな。俺は鈴木優。』
彼の笑顔がとても…かっこよかったんだ。
『優か…おっしゃ!!!優!!お前俺の友達第1号だから!』
『まじ?よろしく。名前何?』
『俺斉藤歩です~』
『歩?可愛いやん』
『やめれし!!かっこいいと言え!!』
僕は高校になって新しい友達が出来た。
なかなかの好スタートだ。