この涙が枯れるまで
『ただいま』
『優~おかえり。旬来てるよ~』
『旬君が?』
幸は相変わらず家に遊びに来る事が多かった。
今日は旬君もいるという。
旬君に会うのは久しぶりだった。
今旬君は医者になり、内科医を担当しているから、
忙しくて会えないんだ。
『おっ優久しぶりだな』
『旬君も元気そうだね、空は?』
『お前そんだけかよ、
まぁ空は可愛いから仕方ないけどな!!』
『…親バカ』
僕は旬君を横目で見て、呆れた笑みを浮かべた。
『うるさい!!つか優、お前すごいんだって?』
『何が?』
『写真コンテスト入賞したんだろ?』
『ああ…たいしたことないけどね』
『でもすごいじゃん。
青春だね~』
『意味分かんねぇし!!』
僕は旬君達との会話が終わると部屋に戻り、写真の整理をし始めた。
僕が写真を始めて、もう写真の数が1000枚を越えていた。
僕が撮っているものは、全部風景。
風景以外のものを撮りたいのだが、なかなか見つからない。
この1000枚の中に、百合が気に入ってくれる写真があったらいいな。
そしたら…百合は僕を誉めてくれるかな…