この涙が枯れるまで
駅に着くと、スーツ姿の安里と、可愛らしいドレス姿のナナがいた。
『あっ優!!おせ~ぞ』
『わりぃ!!』
『優!!元気だった?』
ナナが僕に笑顔で言う。
『おう元気だった!!
てか安里、留学してんじゃねぇの?』
『あ~そうだよ~!!歩のために帰ってきてやったよ』
『あははっまじか!!お疲れ!!』
『ホントだよ。じゃあ、広瀬、優、車に乗れよ』
『安里送ってくれんの?』
『いや違う。何か歩の親父の秘書の人が迎えに来てくれたらしいわ』
『あ~そういう事か。あの金持ちめ』
僕達は車に乗り込む。
目的地の結婚式場へと車が走る。
『てか久しぶりだね~!!』
『ホントホント。卒業しても全然会わねぇしな!!』
『狭い街なのにな』
みんな成人を越して、
さらに大人っぽくなっていた。
僕もその一人だ。
『つか優更にかっこよくなったな~!!』
『は?』
『広瀬、ちょっと後悔??』
僕は安里の口を塞いだ。
『安里ばかっやめろ!!』
『優はいつでもかっこいいよね』
『おっ!!』
『…さっさんきゅ…』
ナナの事は好きだが、百合を越えれない。
百合は一番上にいるから。
あっという間に結婚式場に着いた。