この涙が枯れるまで
『優は、笑顔が素敵ね?』
『そっかなぁ…?』
『私好きだよ、優の笑顔!!』
『うん、百合も言ってた。だから笑うんだ』
僕は泣かないよ。
百合が笑うなら、僕も笑い続けるから。
『優?始まるから行こ?』
『うん』
僕は式場に向かう。
音楽と共に、沙紀が現れる。
ウェディングドレスを着た沙紀は、とても綺麗だった。
すこし恥ずかしそうだった。
『沙紀きれいだね~』
『うん…』
そして沙紀は歩の隣に行く。
牧師が誓いの言葉を言う。
『一生愛す事を誓いますか?』
『誓います』
そのやりとりを見ていると、
憧れる自分がいた。
あの光景が、もし僕と百合だったら、僕はすぐに誓う。
百合は、すぐに誓ってくれるかな…
僕の目から涙が出てきた。
『…優!!??』
『ごめん…』
『優…』
『あははっ…百合を思い出しちゃった…』
『思い出していいと思うよ?その方が小林さんは嬉しいと思うよ?』
ナナ…
君は気付いてる?
まだ僕の薬指に
百合とのペアリングがあるという事。